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2026.05.19

FXの時間足、結局どれをメインにすべき?——スタイル別に「使う3枚」を固定するガイド

日足・4H・1H・15分のどれをメインにすべきか、自分のトレードスタイル(スキャル/デイトレ/スイング/ポジション)から逆算して3枚セットを固定する実装ガイド。Babypipsの2〜3足ルール、Triple ScreenとICT/SMC階層の対応、毎回崩さないドリルダウン手順までまとめます。

S3up
2026.05.19 / 14分
免責事項

この記事は情報提供を目的としており、特定の売買を推奨するものではありません。FX取引にはリスクが伴い、損失が発生する可能性があります。投資判断はご自身の責任でお願いします。

朝、パソコンの前に座って、MT4を立ち上げる。最初に開いた時間足を見ながら、ふと止まりませんか。「今日はどの時間足から見ればいいんだっけ」「昨日は15分から開いた気がするけど、その前は1時間からだったかも」——こんなふうに毎日、開く順番がふらついている人は多いんですよ。

結論からお伝えします。時間足は、自分のトレードスタイルから逆算して「使う3枚」を固定し、毎回上から下に開く。これだけです。難しい話ではありません。でも、これができていないと、何ヶ月検証してもデータが積み上がらず、いつまで経っても自分のトレードに自信が持てない、という状態が続いてしまうんですよね。

この記事を読み終わったら、あなたは自分のスタイルに合う3枚セットをその場で決められて、明日のチャートからすぐに「日足から開く」順番を試せます。下位足のシグナルに最初から引きずられて負ける、という典型的な負け方を1つ減らせるはずです。

この記事でわかること

(1) なぜ時間足を「固定」する必要があるのか — 毎回違う時間足を開くと、検証データが積み上がらず、結局その日の気分でエントリーすることになる理由を整理します。

(2) 自分のスタイルから逆算する3枚セット早見表 — スキャル/デイトレ/スイング/ポジションの4スタイルそれぞれの「使う3枚」と、向いている人の特徴をまとめます。

(3) 毎回崩さないドリルダウン手順 — 3枚を上から下に開いて、エントリーまで降りていく具体的な視線の流れを、言葉化フレーズとセットで示します。


そもそも、なぜ時間足を「固定」する必要があるの?

結論から言います。時間足を毎回変えていると、検証が積み上がらないからです。

料理のレシピをイメージしてみてください。同じカレーを作るにしても、毎回「今日は玉ねぎ多め」「今日はトマト入り」「今日は煮込み時間短め」と全部の条件を変えていたら、「どの工夫が美味しくなる原因だったのか」がいつまで経っても分からないですよね。仮にあるとき劇的に美味しく仕上がっても、「次に同じものを作れる確信」が持てません。トレードの時間足も同じ話で、毎回開く時間足を変えていると「何が勝ち負けの原因だったか」が切り分けられないんですよ。

具体的に言うと、今日は日足ベース、明日は15分足ベースでエントリーしていたら、勝った負けたが20回ぶん溜まっても、それは「同じ手法を20回試した結果」ではありません。バラバラの手法を1回ずつ試した記録の寄せ集めです。これでは検証になりませんよね。

もう1つの理由は「分析麻痺」です。Babypipsの解説でも、複数時間足を使うときは2〜3つに絞ることが推奨されていて、4つ以上の時間足を見ようとすると、情報が増えすぎて結局エントリーできなくなる傾向があると説明されています。※Babypips『Multiple Time Frame Analysis』に明記。

つまり、時間足を絞らず・固定せず、毎回違う組み合わせで見ているあなたは、検証もできていないし、麻痺もしやすい——という二重に損な状態にいるんですよ。逆に言うと、3枚セットを固定するだけで、この2つの問題はほとんど解決します。


自分のスタイルから逆算する——「使う3枚」早見表

3枚を決めると言っても、人によって正解は違います。なぜなら、持ち時間と保有期間が人によって違うからです。

服のサイズと同じだと思ってください。Sサイズが正解の人もいれば、Lサイズが正解の人もいます。「みんなが着ているからM」を選ぶのではなくて、自分の体格——つまり自分のトレードスタイル——に合わせて選びますよね。時間足も全く同じで、あなたが1日5分しかチャートを見られない人と、平日ずっとモニターの前にいる人とでは、選ぶべき3枚はまるで違います。

ここで、4つの代表的なスタイルごとに「使う3枚」を早見表にしておきます。自分が今どこにいるか、あるいはどこに向かいたいかを、まず1つ選んでみてください。

スタイル保有期間の目安HTF(流れ)ITF(押し戻り)LTF(注文)向いている人
スキャルピング数秒〜数分1H15分1〜5分平日の昼〜夜にまとまった時間が取れて、瞬発力に自信がある人
デイトレード数分〜数時間日足1H(または4H)15分(または5分)朝・夜にチャートを見られ、日をまたぐポジションは持ちたくない人
スイング数日〜数週間週足日足4H平日にチャートを長く見られない、夜に1回確認できれば十分な人
ポジショントレード数週間〜数ヶ月月足週足日足ファンダ要因の影響も追えて、中長期で大きな波を取りたい人
スキャル・デイトレ・スイング・ポジションの4スタイルそれぞれにHTF・ITF・LTFの3枚セットを並べた早見表の図解

表の中の「HTF(Higher Time Frame)」は大きい流れを決める上の時間足、「ITF(Intermediate Time Frame)」は押し戻りの形を確認する真ん中の時間足、「LTF(Lower Time Frame)」は注文タイミングを取りに行く下の時間足、という3階層です。3つで役割を分けるのがポイントなんですよ。

このあと、スタイルごとに簡単に補足していきますね。

スキャルピング(数分のトレード)

スキャル寄りの方は、HTF=1時間足、ITF=15分足、LTF=1〜5分足という組み合わせが基本になります。1時間足で「今日は上に行きやすい場面か、下に行きやすい場面か」だけ確認しておいて、15分足でその方向に押し目・戻りができているかを確認、1〜5分でローソク足の反転を待って入る——という流れですね。

注意点として、スキャルだからといって日足や4時間足を完全に無視するのは危険です。スキャルでも上位足の節目近辺ではボラティリティが急に変わるので、「画面の隅で日足の節目だけは把握しておく」のがおすすめです。3枚に入れない、というだけですね。なぜ上位足の節目で動きが変わるのかは上位足優先の理由(フラクタル × 流動性)で別途まとめています。

デイトレード(数分〜数時間)

デイトレなら、HTF=日足、ITF=1時間足(または4時間足)、LTF=15分足(または5分足)。私の周りでも、デイトレ寄りで動いている方がいちばん多い印象です。私自身もデイトレ寄りで、この3枚を基本セットにしています。

選び方のコツとしては、自分の保有時間が「数時間以内」なら ITF=1時間足/LTF=15分足、「半日くらいまで持つこともある」なら ITF=4時間足/LTF=15分足、というふうに保有時間で寄せるといいですよ。あれもこれも、と4枚にしてしまうと先ほどの分析麻痺に近づくので、最初は3枚で固定してみてください。

デイトレを選ぶ理由についてはFXトレードスタイル:裁量デイトレに選択する理由5選でも掘り下げています。

スイング(数日〜数週間)

スイングなら、HTF=週足、ITF=日足、LTF=4時間足。日中にチャートをずっと見られない方、夜に1回ゆっくり確認できれば十分な方には、これがすごく相性がいいんですよ。

スイングの最大のメリットは、下位足のノイズに振り回されないこと。週足・日足ベースで考えていれば、5分足でいくらヒゲが伸びようが、「自分には関係ない動き」と思えるようになります。逆にデメリットは、エントリー回数が少ないので「我慢」が必要になることですね。週に1〜2回くらいの頻度を許容できる人向けです。

ポジショントレード(数週間〜数ヶ月)

ポジトレなら、HTF=月足、ITF=週足、LTF=日足。ここまで来ると、テクニカルだけでなく金利差・経済指標・中央銀行のスタンスといったファンダの影響が大きく出てきます。チャートの形だけで判断するのではなく、「なぜこの通貨が買われているのか」という背景まで含めて読む必要があるんですよ。

初心者〜中級者の段階では、いきなりポジトレに飛びつくよりも、デイトレかスイングで「自分の3枚」を固定して回数を積んでから、徐々に長い時間足にスタイルを移すほうが安全だと思います。覚えておいてください。


なぜ「上から下」に開く順番を絶対に崩さないのか

3枚セットが決まったら、次に大事なのが「開く順番」です。結論を先に言うと、必ず上の時間足から開いてください。下位足から見上げる順番は、思っているよりずっと危険なんですよ。

映画の予告編をイメージしてみてください。本編を見る前に予告編で結末を匂わされてしまうと、本編を観ても「ああ、あのシーンに繋がるのか」と頭の中ですでに筋が決まってしまいますよね。最初に見た情報に、そのあとの判断が引きずられる。これ、行動経済学でよく言われる現象です。

チャートでも同じことが起きます。5分足を最初に開いて「きれいなダブルトップだ、ショートだ」と思った直後に日足を開くと、人間の脳は「日足で5分足の判断を裏付ける材料」を探しに行ってしまうんですよ。本当はその日足が上昇トレンドの押し目買い場面だったとしても、「いや、でもこの戻り高値は意識されている」みたいに、最初の判断に寄せた解釈をしてしまいます。

逆に、日足から先に開いてバイアスを「買い場探し」と決めてしまえば、そのあと開く5分足のダブルトップは「日足の押し目買いに対するノイズ」として読めます。同じ5分足を見ているのに、見え方が180度変わるんですよ。試してみると分かりますが、これが効きます。

下位足から開いた場合に最初の判断にバイアスがかかる悪い順序と、上位足から開いて文脈を持って降りる良い順序を左右で対比した図解。映画予告編のたとえと対応

ドリルダウンの手順——3枚を順番に開いて、エントリーまで降りていく

順番が大事だと分かったところで、具体的なドリルダウン手順に入ります。ドリルダウンというのは、上の時間足で出した結論を持ったまま、下の時間足に降りていく動作のことです。

サッカーで考えてみてください。司令塔(HTF)がフィールド全体を見て「右サイドから攻める」と決める。中盤の選手(ITF)がそれを受けて「この走り込みのタイミングでパスを出す」と決める。フォワード(LTF)が最後にシュートのコースを選ぶ。3人とも役割が違うし、誰か1人が抜けても点は入りません。3枚の時間足を使うというのは、これと全く同じ役割分担なんですよ。

もう1つ、強く意識してほしい習慣があります。エントリー直前に、「自分が今どの波に乗ろうとしているか」を1行で言葉化してから注文すること。これだけでエントリーの質がかなり変わります。

HTFで方向、ITFで押し戻りの位置、LTFで注文の引き金という3段階のドリルダウン手順を、サッカーの司令塔・中盤・フォワードの役割分担と対応させた図解

HTFで「方向」を1語で決める

最初に開くのはHTFです。やることは1つだけ。「今日は買い場を探す日/売り場を探す日/様子見の日」のどれかを、1語で決めること。

具体的には、HTFの押し安値・戻り高値を引いてみて、「直近の波は上に向かっているか、下に向かっているか、それともどっちつかずか」を見ます。上に向かっているなら「買い場探し」、下なら「売り場探し」、横ばいなら「様子見」。たったこれだけです。

このとき、迷いやすいのが「どっちにも見える」ケースですよね。そういう日は、無理に方向を決めず「様子見」を選ぶ勇気を持ってください。「3日に2日くらいは様子見でいい」と思っておくと、無理なエントリーが減ります。押し安値・戻り高値の引き方そのものに自信がない方は、ダウ理論の押し安値・戻り高値を実戦で使うを先に読むといいですよ。

ITFで「押し戻りの位置」を確認する

HTFで方向を決めたら、ITFに降ります。ここでやるのは、「今、価格は押し戻りのどの位置にいるか」の確認です。

HTFで「買い場探し」と決めているなら、ITFで「直近の押し安値はどこか」「価格はその押し安値からどれくらい離れているか」「次の節目(壁)まで何pipsあるか」を見ます。押し安値からまだ近い位置にいるなら、これから戻りが伸びる余地があるかもしれない。逆に、次の節目にもう張り付いているなら、「今から飛び乗ると壁にぶつかる」可能性が高いわけです。

ここで大事なのは、ITFは「入るかどうかを決める場所」ではなく、「入れる場所まで来ているかを確認する場所」だということ。よくある失敗は、ITFで「きれいな三角持ち合いができてる!」と判断して、そのままエントリーまで突っ走ってしまうこと。ITFは中盤の選手であって、シュートを打つのはあくまでLTFの役割なんですよ。

LTFで「注文の引き金」を待つ

HTFで方向、ITFで位置を確認したら、最後がLTFです。ここでようやく「注文の引き金を引くタイミング」を探します。

具体的には、反転の兆しになるローソク足を待ちます。長いヒゲ、包み足、ピンバー、構造の転換(直近の高安の更新の仕方が変わる)など、自分が事前に決めたパターンが終値で確定するまで、絶対に飛び乗りません。LTFで反転らしき形が出ても、それが終値で確定するまでは「まだ何も起きていない」と考えてください。

そして、エントリー直前にもう一度、口に出してみてください。「日足の上昇トレンドの押し目買い、1時間足の押し安値の少し上に価格がいる、15分足でピンバーが終値確定したので入る」のように、3つの時間足の文脈を1行でつないで言葉化する。これが「言葉化してから注文」の習慣です。言葉にできないエントリーは、たいてい上位足の文脈から外れているんですよ。


Triple Screen と ICT/SMC、呼び方が違うだけで構造は同じ

「3つの時間足で順番に見る」という考え方、実はFXの世界ではいろんな名前で呼ばれています。呼び方が違うだけで、構造そのものはほぼ同じです。

たとえば、「夕食」「ディナー」「晩ご飯」は、日本語・英語・カジュアル日本語と表現は違っても、指している現象は同じですよね。3時間足分析の世界もこれと同じで、流派ごとに用語が違うので「別物だ」と感じやすいんですが、骨格は実はかなり重なっています。

代表的な3つの考え方を並べてみます。

3階層の名前上(流れ)中(押し戻り)下(注文)
Triple Screen(エルダー流)Tide(潮)Wave(波)Ripple(さざ波)
ICT/SMCHTFITFLTF
ダウ理論ベースのMTF大局トレンド中期トレンド小波

「Tide / Wave / Ripple」は、Alexander Elder という海外の有名トレーダーが提唱した3階層のたとえで、潮の流れ・波・さざ波の3つで価格を見る考え方です。※エルダーは1986年にFutures Magazineで Triple Screen Trading System として発表、1993年の『Trading for a Living』(Wiley) で広く知られるようになりました。Elder本人は階層の倍率を5倍前後に置くことを推奨していて、実際のトレードでは3〜6倍の組み合わせがよく使われます。

ICT/SMCの世界では、これと同じ3階層を HTF・ITF・LTF というシンプルな名前で呼んでいます。ダウ理論ベースの考え方でも、大局・中期・小波の3つに分けるのが定番ですよね。用語は違うが、構造は同じ——これだけ覚えておけば、どの流派の本を読んでも「ああ、いつもの3階層の話ね」と消化できます。

ICT/SMCについて「4階層が公式だ」という解説を見かけることもありますが、流派内でも整理が分かれていて、3階層トップダウンを基本とする説明のほうが現在は多いです。あまり階層の数で迷わず、まずは3枚で固定するところから始めてみてください。


日本のスキャル文化と、欧米のSMC階層——どこが違って、どこが同じか

ここから少しだけ、私個人の観察として書いておきますね。日本のFX解説と、欧米のSMC系解説は、入口がけっこう違うんですよ。

料理にたとえると、日本の解説は「包丁さばきの本」に近いです。5分足の細かいローソクパターン、ブレイクの瞬間の挙動、各種のスキャル手法——下位足の精度を磨き込んでいく方向に強い解説が多い印象です。日本のFX解説ではスキャル系のコンテンツが目立つことも、背景にあるかもしれません。

一方、欧米のSMC系解説は「素材選びと火入れの本」に近いです。HTFでバイアスを決めて、そこから降りていく、という階層構造の話が中心になります。下位足の細かい戦術というより、「どの時間足を上に置くか」の枠組みを先に固める発想ですね。

これ、どちらが正解という話ではないんですよ。日本のスキャル本で包丁さばきを鍛えた人がSMCの階層を学ぶと「全体の組み立てが見えるようになった」と感じるでしょうし、欧米のSMCから入った人が日本のスキャル本を読むと「下位足の動きの解像度が上がった」と感じるはずです。両方の視点を持ち合わせると、結局いちばん強いと私は思います。

ただし、注意点を1つ。日本のスキャル系解説の中には、上位足を意識せずに下位足だけで完結させる手法もあります。これは「下位足から見上げない」と言っていることと矛盾するように見えますよね。実際のところは、上位足のバイアスを暗黙の前提として下位足を見ている熟練者と、本当に下位足だけで判断している人が混在しているので、自分が初心者・中級者の段階では、明示的に3枚を上から下に見るルートを選んだほうが安全です。


時間足を固定したのに勝てない人がハマる4つの失敗

3枚セットを決めて、順番も守って、ドリルダウンもしている。なのに勝てない——という壁にぶつかる人は多いです。順番に4つの失敗を見ていきましょう。

筋トレで言えば、フォームを正しく覚えても、フォームだけでベスト更新できるわけではない、という話に似ています。フォームは前提条件であって、その上に毎回の判断や検証が積み上がって初めて成績になるんですよ。

時間足を固定したのに勝てない4つの失敗(下位足のきれいなパターン優先・未確定の日足で判断・スタイル変更のたびに3枚セットを変える・海外の勝率をそのままFXに持ち込む)を2×2に並べて、それぞれの対策も併記した図解

失敗1:下位足の「きれいなパターン」を上位足より優先する

いちばん多い失敗がこれです。日足では「買い場探し」と決めたのに、5分足で「きれいなダブルトップだ」と思って売ってしまう。3枚セットを固定しても、目の前のきれいな形を我慢できなくて、結局上位足を裏切るんですよ。

これを防ぐコツは、HTFのバイアス(買い/売り/様子見)を画面の隅にメモすること。MT4のテキストツールで「今日は買い場探し」と書き込んでおくだけでも、ふっと我に返れます。「言葉化してから注文」と相性のいい習慣です。

失敗2:日足の確定タイミングを知らずに「今の日足」を見ている

意外と落とし穴になるのが、これ。日足の「今日のローソク」って、いつ確定すると思いますか。MT4/MT5のサーバー時間に依存するんですよ。多くのFX業者はGMT+2またはGMT+3でサーバーを動かしていて、日本時間に直すと朝6〜7時頃に日足が切り替わります。

つまり、夜にチャートを見ている時間帯の「今日の日足」は、まだ未確定の状態。途中経過の足を「これが今日の日足だ」と思って判断していると、翌朝に大きく形が変わって「あれ、昨日見ていたのと違う」となります。日足の押し安値・戻り高値の判断は、必ず確定足ベースで行ってください。

失敗3:スタイル変更のたびに3枚セットを変える

「スキャルで負けたから、来週はスイングに変えてみよう」「スイングは退屈だから、デイトレに戻そう」——スタイルを頻繁に変える人は、3枚セットも一緒に変えてしまいがちです。これだと、また検証が積み上がりません。

目安として、同じ3枚セットを2〜3ヶ月は変えないことをおすすめします。短くても1ヶ月。負けが続いても、その期間は同じセットで回しきってください。負けの原因が「セットが悪い」のか「同じセットでもまだ熟練度が足りない」のかは、ある程度の回数を積まないと切り分けられないんですよ。

失敗4:海外のローソク足の勝率を、そのままFXに持ち込む

これも見落とされがちな話です。海外のチャートパターン研究では、「三羽の白い兵士(Three White Soldiers)」というローソク足パターンの上昇反転確率が82%といった数字が紹介されることがあります。※チャートパターン研究で有名なBulkowskiさんの集計です。

ただし、ここで注意してほしいのは、その82%は米国株の日足ベースで計測された数字だということ。FXの通貨ペアにそのまま当てはまるかというと、これは別問題なんですよ。市場の構造も、取引時間も、参加者も違うので、同じ数字を期待してFXで使うと「思ったほど勝てない」ということになります。

海外発の数字を使うときは、「これは何の市場で、何の時間足で計測されたか」を必ず確認するクセを付けてみてください。FXに転用するなら、自分で同じ通貨ペア・同じ時間足で再検証するのが安全です。FXのダマし(フェイクアウト)回避4チェックもあわせて読むと、勝率の見方の解像度が上がりますよ。


明日の朝から固定する——3枚セットのチェックリスト

ここまで読んでくれたあなたが、明日の朝からすぐ実行できる形に落とします。テスト前に筆箱に必要なものを揃えるレベルの簡単さです。

  1. 早見表から自分のスタイルを1つ選ぶ——スキャル/デイトレ/スイング/ポジションの4択。迷ったらデイトレで始めるのが無難です。
  2. その行の3枚(HTF/ITF/LTF)をMT4/MT5のテンプレートに保存する——画面に常にこの3枚が並ぶようにします。ウィンドウ配置を保存しておくと毎回崩れません。
  3. 毎回HTFから開く順番をルール化する——下位足から開かない。これだけは絶対に守ってください。1週間続けると、明らかに迷いの数が減ります。

この3つを揃えるだけで、「時間足の使い分けが分からない」という悩みは、構造的に解決します。あとは検証を積むだけです。


FAQ

4つ目の時間足を追加するのは?

結論を先に言うと、初心者〜中級者の段階ではおすすめしません。Babypipsの解説でも、4つ以上の時間足を使うと分析麻痺になりやすい、と注意されています。※Babypips『Multiple Time Frame Analysis』に明記。「3枚で見落としている情報があるかも」と感じたら、まずは3枚をもっと深く読み込むほうに時間を使ってみてください。それでも足りないと感じる場面が増えてきたら、その時に4枚目を検討するでも遅くないですよ。

スキャルでも日足を見たほうがいい?

3枚セットには入れなくていいですが、画面の隅で日足の節目(押し安値・戻り高値の水準)だけは把握しておくのがおすすめです。理由は、上位足の節目近辺ではボラティリティが急に変わることがあるからです。詳しくは上位足に逆らうと、なぜストップだけ刈られるのかを参照してみてください。「常に3枚を見ながら、ときどき日足を覗く」くらいの距離感が現実的です。

4Hと1Hを両方ITFに入れるのは?

気持ちは分かるんですよ。「両方見ると安心」と感じる人は多いです。でもそれをやると4枚になるので、分析麻痺のほうに寄ります。どちらか1枚に決めて、もう片方はチラ見で済ませるのがおすすめです。私の場合、保有時間が短めの日は1H、長めの日は4Hと使い分けますが、ITFとして「見る」のはあくまでどちらか1枚です。

日足が様子見のとき下位足は?

HTFが様子見と出た日は、無理に下位足でエントリーしないほうが安全です。下位足で何か形が見えても、それは「方向のない相場の中のノイズ」である可能性が高いんですよ。「3日に2日は様子見でいい」と思っておくと、無駄なエントリーで資金を削ることが減ります。検証データを積みたい時期ほど、エントリー回数を増やしたくなりがちですが、ここはぐっと我慢してください。

セットを変えたくなったらいつ?

目安は2〜3ヶ月、最短でも1ヶ月は同じセットで回し切ってからです。負けが続いていても、その期間内はセットを変えないでください。理由は本文でも書きましたが、負けの原因が「セットの相性」なのか「単に練度不足」なのかを切り分けるには、ある程度のサンプル数が必要だからです。「3ヶ月回した結果、明らかに自分のリズムと合わないと感じる」場合のみ、セット変更を検討する——くらいの慎重さでちょうどいいですよ。


まとめ:「使う3枚」を固定するだけで、迷いの半分は消える

長くなったので、要点を最後にまとめておきますね。

明日の朝、MT4を開く前に、まず早見表から自分の3枚を選んでテンプレートに保存してみてください。そして1週間、必ずHTFから開く順番を試してみる。たったこれだけで、「今日はどの時間足を見るんだっけ」という日々の迷いはほぼ消えます。やってみると、本当に楽になりますよ。

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